劉慈欣、残雪、陳浩基、金庸など総勢99人の中国語圏作家の現代文学ガイドがすごい!

你好, 50代になってやり直し中国語を学ぶうらです。

今回は、中国語を学習する、読書好きな、大人のみなさんにおすすめしたい!現代中華圏作家のガイド本がありましたので、ご紹介します。

中華圏の小説を読んでみたい…!、が何を選んだらいいの?

少しずつ中国語がわかるようになってくると、それに伴い、中華圏の政治、経済、社会、文化について「もっと知りたい♪」という思いが、深くなってきてますよね。

私もその1人。行く先々、例えば、美術館、博物館、映画館、本屋、図書館、お店など、知らず知らずのうちに、中華圏に関わるものを探してしまうようになってしまいました。

その中でも、手に取りやすいのが、私にとっては、です。

もともと活字を読むのが好きなので、現地の言葉で書かれた文字を読んで、生の情報を得たい欲望(笑)が強く、それが功を奏して、中国語との長いお付き合いとなりました。

(なので、私の場合は「ストイックに集中して勉強!」というよりも、好きが高じて、その手段として中国語が身近にあった、という感じです。)

が、日本に住み、外国語として中国語を学ぶ私。

中華圏エリアの最新情報が、リアルタイムで自然に入る環境にはないため、たまたま得た情報が結構貴重だったりするわけです。

が、中国、台湾、香港、東南アジアなど中華圏は広く多様、それぞれの国の個性や特色もあります。

現地に行った時に本屋を覗いたり、現地TVを観てなんとなく流行っている書籍を数冊買って帰るパターンが多く。でも、これって、ほんの一握りであって、もっといろいろ読むべき本があるんだろうなぁ…、といつもモヤモヤしていました。

また、日本でもたまに、公共施設や大学などで開催されるアジア文化シンポジウムなどで、中華圏の現代文学をテーマにした講演などがあり、喜んで参加するのですが、聴いてみると、近代~2000年初期頃の話が多く、経済化が急速に進んだ2010年~現在(2024)の内容が本当に薄くて、がっかりして帰ることがありました。

日本語が嬉しい!現代の中華圏作家の経歴、作風、代表作の文学ガイド

今、中国、台湾、香港、東南アジアにはどんな作家がいて、どんな作品を書いているの?

日本語で読みたいけれど、翻訳本はあるのかな?

翻訳本は、どんなタイトルで出版されているのかな?

以上のように、本を探す時に、いろいろ疑問に思うわけです。

そんな疑問に応えてくれる本が、遂に登場しました!

『中国語現代文学案内~中国、台湾、香港ほか』

 栗山千香子・上原かおり編 / 2024 /  ひつじ書房 /  3200円+税

本書は、中国、台湾、香港、東南アジア等の代表的な中国語作家とその作品を紹介し、広い視点で中国語圏の現代文学を知ることができる案内ガイド。

本書の冒頭に、①中国文学(1970末-90年代)、②中国文学(1990年以降)、③台湾文学の概観があり、それぞれの国の歴史的背景、文学潮流、近年の文学動向等を、4~6ページにわたり概説しています。

純文学はもちろん、大衆文学も盛込まれた、盛沢山な内容で、こちらだけでも読み応えアリ!です。

作家ファイルには、SF作家の劉慈欣(『三体』)、今年ノーベル文学賞候補の残雪(『カッコウが鳴くあの一瞬』)、ミステリー作家陳浩基(『13・67』)、武侠作家金庸(『射鵰英雄伝』)など、総勢99人の中華圏作家の解説と、代表作の一節の翻訳があります。

現代中華圏作家それぞれの経歴、作風、代表作を載せているのですが、その内容の充実ぶりが素晴らしい。

作者の経歴を紐解くことで、「この作品が生まれたのか~。」と読んでいて、感慨深い思いを抱いてしまいます。

また、代表作の一節を日本語にて翻訳し紹介しているので、作風の個性を感じることもでき、作品を読んでみたくなります。

作家の索引もあり、非常にありがたい。気になる作家の名前から多角的に情報を得ることを可能にしています。

さらに嬉しいのは、日本語による案内ガイドなので、日本で出版されている邦訳書籍を一覧でまとめていることです。

原書で読むのはハードル高いので、まずは日本語で作品の世界観を理解したい、と。私もよくやるパターンです。(でも『三体』読みましたが、日本語でもよく解らないところがあり(汗)。物理などの知識もないと、きちんと理解できないストーリーとなってましたよね。日本人では書けないであろうダイナミックなストーリーに圧倒されました。)

そんな時に、このような邦題がわかるリストがあると、本当に助かります。

リストを見て、予想以上にたくさんの作品が翻訳書籍となっていて、驚きました。

また、執筆者リストにも注目です。

信頼できるミニ文学辞典として活用できるよう、各作家の研究や翻訳に携わった専門家が執筆しているとのことです。興味ある作品の翻訳者から、他作品を探すこともあり、本を探す楽しさが一気に広がりました。

いかがでしょう♪ 読書の秋となりました。

何を読んだらいいかな?とお悩みでしたら、ぜひ今書を手に取ってみてくださいね。

パラパラとページをめくるだけで、興味ある作品に出合えること間違いナシ♪です。おすすめします♪

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