你好, 50代になってやり直し中国語を学ぶうらです。
前回では、“ガツ勉”はもう卒業!「写経」メソッドの第2弾「なぜ中国語ポップスが、写経に向いているのか、理由3つ」のうち、
1.「漢詩に似た形式」の歌詞が多い
について、李白の『静夜思』、日本の仏教経典『般若心境』、台湾のバンド五月点/Mayday『乾杯』を例に挙げて紹介しました。
今回は「なぜ中国語ポップスが、写経に向いているのか、理由3つ」の2つ目を話したいと思います。
2. 中国語ポップスが写経に向いている理由 ~歌詞の奥深い世界観をゆっくり堪能できる
写経に向いている理由として、古えの漢詩の形式を用いていることにより、中国語ポップスの歌詞に深みが増し、歌詞の語句やフレーズ、その意味をゆっくり味わえると言えます。
例えば、前回でも挙げました盛唐時代の詩人、李白の『静夜思』。
日本でも、中学や高校の国語(漢文)の授業にて、最も多く目にする漢詩といえそうです。
私も大学時代、高校の授業で学んだ『静夜思』を、中国語/古典講義にて再び学ぶ機会がありました。
指導教授による中国語の暗唱が素晴らしく…!
硬質な印象を与えていた漢文読みを一気に払拭する、柔らかで豊饒な風景・想いを感じさせる中国語の言葉から浮かび上がる世界観に驚いた思い出があります。
「漢詩ならではの「対句」や「韻」を用いることで、見た目も美しく、聞き心地のよい詩となる」
頭では理解してるつもりいましたが、中国語による暗唱を聞いたことで、この意味がすぐに理解できました。
再び、台湾のバンド五月点/Mayday『乾杯』一部抜粋を例にあげますね。
这些年 买了四轮 买了手表 买了单眼
却发现 追不到的 停不了的 还是那些
人生是 只有认命 只能宿命 只好宿醉
只剩下 高的笑点 低的哭点 却没成熟点
〔日本語訳:〕←(私の直訳ですみません)
この何年かで、車、時計、一眼レフを買ったよ
けど、わかったんだ、追いつけないもの、止められないものは、やはりあの(頃)
人生は 運命を受け入れるだけ、この世すべてに定められている運命だけ、二日酔いになるしかない
残ったものだけ(その場その場)の状況下 高(見えるところで)笑い 顔を下げて(見えないところで)泣いてきた、けど(人として)成熟しきれてない
成熟就是 幻想幻灭 一场磨炼
为什么 只有梦想 越磨越小 小到不见
有时候 好想流泪 好想流泪 却没眼泪
期待会你 会不会 他会不会开个同学会
〔日本語訳:〕
成熟とは 幻想と幻滅であり、試練である
なぜ 夢だけが 摩耗し小さくなり 見えなくなってしまうのか
時々 本当に泣きたい 本当に泣きたい のに 涙が出ない
あなたに会えるかな? 彼は同窓会を開いてくれるかな?
五月点/Mayday『乾杯』は、
♪懐かしい人々に会いたい、その頃を一緒に思い出し懐かしみたい、いろいろあったけど、
やっぱり、この人達のおかげで、自分があった。愛しいあなたたちに乾杯!♪
と、楽しいメロディにのせて、五月天ヴォーカル・阿信がハートフルに歌うコンサートでも大人気の楽曲。
さら~、と聴くと、明るく楽しい曲なのかな、と思ってしまうのすが、
歌詞の意味を感じながら、よぉ~く聴いてみると、深い深い深い…!
阿信の作った歌詞を通して、私自身の人生をもオーバーラップ、泣きそうなほどじぃ~~んとなってしまうことも(笑)
この『乾杯』、節目節目に聴きなおしている私。
都度ノスタルジックな感情を揺り動かされ、年齢を重ねるにつれ、感じることもいろいろなんです。
その歌詞を、自らの手で、丁ねいに写し取ってみると、さらに曲への愛情も深まりますよ。
今回は一つの例として、五月点/Mayday『乾杯』を挙げましたが、写経のための歌詞は、自分のお気に入りのチャイナポップスでOKです。
せっかくなので、思い入れたっぷり”大好き!”な一曲を選んでくださいね。
大好きな曲を写経するにあたり、私は写経ノートを作り、書き溜めています。
溜まってくると、自分のお気に入りの楽曲集となり、さらに、中国語勉強のマイルストーンも蓄積され、嬉しい一冊となりますよ。
毛筆が得意な人は、和紙に漢文のごとく、お気に入りの歌詞フレーズを、墨汁で記すのも素敵です。
さぁ、これから、写経する歌詞探しに忙しくなりますよ~♪
次回は「なぜ中国語ポップスが、写経に向いているのか、理由3つ」の3つ目を話します。お楽しみに~♪